感情と上手く付き合う

肉体や感情との付き合い方を乗馬に例えてみましょう。あなたは今回の人生で、ある特定の馬(身体や思考や精神)を選びました。それぞれの馬には肉体的及び性格的な個性や特質があります。乗ってみたらあなたと性格が合わなかったり、背中の形状があなたの体格に合わないこともあります。神経質で気性の激しい馬もいるでしょうし、おとなしくて乗り心地の良い馬もいます。同じ馬でも日によって、時間帯によって行動が変化しますから、扱い易い時とそうでない時があります。あなたが自分の感情を上手くコントロールできるときもあればそうでない時があるのと同じです。

さて、今回の人生が終わるまで、あなたは自分で選んだ馬とお付き合いするのです。馬の動きを決め、コントロールするのが乗り手であるように、自分の肉体や感情をしっかりコントロールできると、スムーズに前に進めます。しかし、あなたが足で腹を蹴って進め!と指示を出してもなかなか動かない馬もいます。手綱を引いても止まってくれない馬もいます。よそ見ばかしりたり、道に落ちているものなら何でも口にしてしまう馬もいます。馬の気性や気質を決める、すなわちあなたの感情や性質を決めるのは、過去世からの経験やご先祖の経験など複合的な要素です。

それでも調教するのはあなたです。馬が思うように進まないのは、上にいる乗り手の指示が不明瞭であったり、一貫性がなかったり、馬との意思疎通ができていないからです。しかし、あなたが馬の性質を良く見抜き、心を通わせ、信頼関係を育み、呼吸を合わせれば、障害を共に乗り越えるベストパートナーとなり得るのです。

人生の乗り心地が悪い時は、あなたの心と身体である「馬」の意見を聞いてあげてください。馬は人の言葉には反応しますが、自らは言葉を発しません。すべて態度で表します、遠慮なく。「僕、疲れてるんだよね」「ブラッシングが足りないから身体がかゆいんだよ」「お腹のそこ蹴られるのいやなんだ」「乗り手が気まぐれで、方向性がぶれているから、動く気が起きないよ」「その道は好きじゃない」「餌の質が悪い」という彼らの聞こえない声を汲み取らなければいけません。あなたの身体と心は「もうこの会社はいやだ。お給料が低すぎるしパワハラも耐えられない」「どうして性格の合わないあの彼と無理して付き合ってるの?手放すことができたら、もっと素敵な男性との間に恋が芽生えるのに。。。」「週1回のペースでマッサージに行ってくれないとあと半年でぎっくり腰になるよ」と日々訴えているのに、無理にムチをピシピシと叩いしまうあなた。そのうち身体と心に限界が来るわけです。馬と同じく、身体も心も感情を持っているのです。

私たちは感情という揺れ動く波を持つ生き物なのです。感情を持たない川や花や雪とは違います。感情があるからこそ怒りがあり、悲しみがあり、喜びや興奮があるのです。感情と上手く付き合うことができれば、生活に平穏がもたらされます。そして、感情を持つ存在であることを楽しめるのです。人間の感情は、気難しい馬のように厄介なものでもあり、乗り手の気持ちを瞬時に感じ取る馬のような、頼もしく愛おしいパートナーでもあるのです。

馬といっても、色んな種類があります。小柄なポニーに乗ってると、隣の体格良いサラブレッドの持ち主に嫉妬するかもしれません。そして、自分に自信をなくしたりするかもしれません。ですが、「サラブレッドがポニーに勝る」という考え方は絶対的なものではなく、相対的なものです。競馬にはサラブレッドかもしれませんが、細い山道を歩くには身軽で持久力のある馬が向いています。過去世ではあなたはサラブレッドに乗り、その時に必要な経験をしていたことでしょう。今回はポニーに乗り、その長所を最大限に引き出し、人生を楽しむのかもしれません。その逆もあり得ますね。




最後に一言。速く走ることを目的に作られたサラブレッドに颯爽と乗る騎手達は、余分なモノを一切身に付けていません。脂肪も、鞍も。不必要なものをそぎ落とし、強靭なインナーマッスルと集中力を持っているからこそ馬はスピードを出せるし、騎手も振り落とされずに前のめりでいられるのです。

このコラムを読んでくださっているほとんどの方が、人生の何かしらにおいて勝負をかけてみたかったり、もっと速くスムーズに走りたかったり、楽に楽しく生きていきたい、タイムリミットになる前に夢を叶えたい、ゴールしてみたい、と思っていらっしゃる方でしょう。過去生や今生の不要な感情や記憶をクリーニングして身軽になると、馬もパッカパッカと楽に動いてくれますよ。ヒーリングは、みなさんのオーラやチャクラの中にある不要な荷物のクリーニングをお手伝いします。

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